手間はかかるけれど、リターンも大きい!

訪日外国人の増加や東京オリンピックに向けて、宿泊施設の供給が追い付かないことなどから、いま日本でもI般家庭に人を泊められるよう(民泊)規制緩和が進みつつある。
その代表的なマーケットプレィスがエアビーアンドビー(エアビー)だ。エアビ—のサィトで自宅の空き部屋などを宿泊先として登録すると、宿泊したい人が予約をする。海外の利用者が多いのでやりとりには英語力が必要だが、定型文を作るなどすれば英語の練習にもなる。宿泊費が収入になり’宿泊費の3%を手数料として運営元に支払ぅ。
鍵の受け渡しや部屋の清掃、リネン類の準備などある程度手間もかかるが、自宅の空き部屋、あるいは借りた部屋を現金に換えられる、急成長中のサ—ビスだ。
Airbnbオーナ—兼IT企業勤務 伊藤祐里さん（28歲）
エアビーの才ーナー、伊藤祐Mさんは、失礼ながら見た目は普通のoLだ。バレエをしていたせいか、すらつと長身で姿勢がいい。話し方もゆつくりしていて、とても不動産投資をしているよぅには見えない。
始めたきつかけを聞くと、「高卒でニート時代もあつたことがコンブレックスだつたんです」といぅ答えが。「運よく正社員になれたけれど、これといつたスキルもない。本業をしつつ、自分で稼ぐ別の方法を身につけたい」
当面の目標は「30代後半までに本業も含めて年1000万円を稼ぐこと」。思い立つたら勉強してやつて みるという即断即決の人だ。
就職して貯めた200万円で2014年、株式投資を始めると、アベノミクスに乗つて一時は短期間で30%のリターンを得る。
「結果が予測しづらい株式投資より、手堅い不動産投資がいいのでは？」と考えるょうに。知人から聞いたエアビーに興味を持ち、ノウハウを知るためにセミナーへ参加。外国人に人気の都内ターミナル駅に絞 つて、すぐに物件を探し始めた。
エアビー用の物件自体が賃貸市場に出回る数が少なく難航したが、山手線沿線のターミナル駅から徒歩5分の1LDKを契約する。
始めてみると駅近という戦略が的中し、伊藤さんの物件は1力月で26日間稼働した。
「月商35万〜40万円でした。ここから家賃と水道光熱費、代行業者への委託代などを引いて、手元に残るのが月に18万円程度」(伊藤さん)
儲けを多くしたければ自分で管理すればいいが、昼間は本業がある。そこで伊藤さんは代行業者を利用した。費用は委託する内容にょつて宿泊費の5〜25%かかる。伊藤さんは苦手な英語でのやりとりも頼んだ。部屋の清掃は、都内に住む実母に謝礼を払つて依頼したといぅ。
副業をしてわかつた本業のありがたみ
16年1月、稼働日数が月7日になつてしまつた。ただ家賃が出ていくだけの日々で、誰も助けてはくれない。伊藤さんは、本業のスキル(詳しくは秘密とのこと)を活かし、自身の部屋の紹介べージをアクセス解析した。結果、月20日台までに戻った。
いま考えてぃることは、「変動リスクが大きいものは、自分に合わないのでは」ということ。今後はエアビーょり安定度の高い大家業へシフ卜する予定だと打ち明ける。
「不動産投資は怖いと思うかもしれませんが、勉強すれば不安もなくなります。また、絶対稼ぐ！と意気込むと、低迷時に気が滅入るので、学びの場と考えています」と笑う。
最後に、副業をしてょかつたことを聞いてみると、こんな答えが返つてきた。「本業のありがたみがわかつた。ミスをしても周りの人が助けてくれます。そして社会的信用もある。だから本業は続けたいです」